この記事を読まれている方は、就業不能保険が妊娠出産時の入院に適用されるかについて調べられているのではないでしょうか。
いまお勤めの方で、妊娠出産の予定があり、その前に保険への加入を検討されていることと思います。
記事内では、就業不能保険の適用について、妊娠と自然分娩、異常分娩の際に就業不能保険が適用されるのかと、妊婦さんにオススメの保険について紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
就業不能保険とは
就業不能保険とは、病気や怪我の治療で長期間働けなくなり収入が減少した際に備える保険のことで、保険会社が定める所定の就業不能状態に陥った場合、決められた金額の保険金を毎月の給与のように受け取ることができます。
もしも働けない状態になったとしても、就業不能保険に加入していれば毎月の生活費を心配せず治療に専念出来るようになりますので、より安心の保障を得るために医療保険や死亡保険とセットでの加入もオススメです。
妊娠出産時の就業不能保険の適用について
妊娠出産時の就業不能保険の適用についてご紹介します。
正常な妊娠と自然分娩の場合
正常な妊娠と自然分娩の場合は就業不能保険で給付金を受け取ることができません。
その理由は、妊娠と出産が病気や怪我の状態に該当しないからで、就業不能保険にかかわらず、国民健康保険も適用がされませんのでご注意ください。
異常妊娠と異常分娩の場合
通常の妊娠出産では、就業保険も国民健康保険も適用になりませんが、切迫早産や切迫流産、妊娠といった医師の判断で入院治療が必要になった際は給付金支払の対象になる可能性があります。
しかし、就業不能保険の支払いには条件があり、約15日の入院で50%の給付金が支払われる保険商品から約180日程度働けない状態が続かないと給付金が支払われない保険商品もあり、保険加入をする前に必ず給付条件と、免責期間等を確認するようにしてください。
妊娠出産時に患う病気の平均入院日数
妊娠出産時に平均入院日数をご紹介します。
入院日数は症状等様々な要因で変化しますので、記載する日数は参考値として認識してください。
入院日数 | |
帝王切開 | 約7日 ~ 約10日 |
切迫早産 | 約30日 ~ 約90日 |
切迫流産 | 約30日 ~ 約90日 |
妊娠高血圧症候群 | 約7日 ~ 約10日 |
妊娠糖尿病 | 約7日 ~ 約10日 |
就業不能保険の保障内容
就業不能保険の保障内容をご紹介します。
就業不能給付金
就業不能給付金は、保険会社が定める就業不能状態になった際に支払われる給付金のことです。
給付金支払いには一定の期間就業不能状態である必要があり、約15日で50%の給付金、30日で100%の給付金が受け取れる場合があり商品によって様々です。
年収によっての受け取れる給付金の上限が決まっている場合もありますので、保険加入前に必ず確認をするようにしてください。
就業不能保険の選び方
就業不能保険の選び方をご紹介しました。
毎月必要な保障を考える
就業不能保険を選ぶ際に大事なのが、毎月いくらの保障が必要かです。
会社員にお勤めの方が、病気やケガで働けなくなった場合、連続して会社を休んだ際は、働けない状態が続く限り最大1年6カ月の間、給料の約2/3に当たる金額を受け取れる傷病手当金という制度があります。
保険が適用期間はいつまでか
就業不能保険を選ぶ際に大事なのが、保険が適用される期間です。
就業不能保険の場合、50歳 ~ 70歳の範囲から5年刻みで選ぶ場合が多く、会社で働いている間の全期間を保険が適用される期間とするなら、60歳 ~ 70歳の期間を設定されることをオススメします。
必ず就業不能認定の条件を確認
就業不能保険を選ぶ際に大事なのが、就業不能と認定される条件です。
保険適用の条件は、保険商品によって違いがありますが、一般的には以下のような条件を設定している保険商品が多いです。
- 精神疾患を除く病気や怪我の治療のため入院している状態
- 精神疾患を除く病気や怪我で、医師の指示を受けて在宅療養をしている状態
就業不能と認定される条件に関しましては必ず保険商品の問い合わせ窓口へ確認をお願いします。
保険金を受け取れるまでの免責期間
就業不能保険を選ぶ際に大事なのが、保険金を受け取れるまでの免責期間です。
免責期間は保険各社によって違いがあり、免責期間によっては就業不能になってしまったタイミングと合わず受給出来ないなんてことになってしまう可能性もあります。
妊娠出産時に使える社会保障制度をご紹介
妊娠出産時に使えるお得な、一時金や補助金制度をご紹介します。
妊婦健康診査助成制度
妊婦健康診助成制度とは、自治体によって多少かわりますが、厚生労働省が推奨している14回の妊婦健診費用を無料または一部費用を補助してくれる制度です。
健康保険では、妊婦健診は完全自己負担となっていますので、助成制度を是非活用してください。
出産育児一時金制度
出産は病気や怪我の状態ではないため、健康保険が適用されず、出産費用は全額自己負担となっています。
そこで、健康保険から出産費用を助成するために設けられたのが、出産育児一時金制度です。
出産育児一時金の支給対象者は、妊娠4ヶ月(妊娠日数85日)以上で出産する、健康保険加入者または配偶者の健康保険の被扶養者となっています。
指定の日数を経過していれば、流産や死産の方も支給の対象となります。
支給される金額は、1児につき42万円で、双子の場合は84万円となりますので、出産時に必要なまとまったお金の用意に不安を感じている方は是非活用してください。
高額療養費制度
高額療養費制度とは、公的医療保険の適用範囲のみですが、1ヶ月(月の初めから終わりまで)に医療機関や薬局の窓口で支払った額が一定の上限額を超えた場合、その超えた金額が戻ってくる制度のことです。
高額療養費制度の1ヶ月当たりの上限額は、加入者の所得や年齢(70歳未満か70歳以上か)によって異なりますので、詳しくは、加入されている健康保険の窓口へお問い合わせをしてください。
出産手当金
出産手当金とは、出産のために会社を休んだ際、その間に給与の支払いを受けなかった方が受け取れる手当金のことで、以下の条件を満たした方が受給の対象となります。
- 勤務先の健康保険に加入していること
- 妊娠4カ月以降の出産であること
- 出産のために休業していること
出産予定日の前42日(多胎妊娠の場合98日)と、出産翌日から56日目までの範囲内で、仕事を休んだ期間が対象で、1日あたりの手当金の額は標準報酬月額÷30日×3分の2です。
健康保険の加入期間が12ヶ月に満たない場合には計算方法が異なりますので、自分が加入している保険組合への確認をお願いします。
傷病手当金
傷病手当金とは、病気休業中に本人や家族の生活を保障するための制度で、病気やケガで連続4日以上仕事を休んだ際に、4日目以降、休んだ日数分が最長1年半支給されます。
注意点として、産休中は出産手当金が優先ですので、傷病手当金は重ねてもらうことはできません。
産休中に入院しても傷病手当金の対象にはなりませんし、もし傷病手当金を受け取った場合には、出産手当金の減額という調整がなされますのでご注意ください。
1日当たりの支給額は、【支給開始日の以前12ヵ月間の各標準報酬月額を平均した額】÷30日×2/3 で算出することが出来ます。
休んだ期間に、職場から傷病手当金より多い給与をもらった場合には、傷病手当金は支給されません。給与が支払われても、傷病手当金のほうが少なければ、その差額が手当金として受け取れます。
妊娠中には、切迫早産や切迫流産 / 妊娠悪阻 / 妊娠高血圧症をはじめ、入院する可能性や、医師に言われて安静にしなくてはならない場合も傷病手当金の支給対象になりますが、その際は医師の診断書が必要となります。
高額医療費控除
高額医療費控除とは、支払った医療費の実質負担額が、年間10万円を超えた場合、その超えた金額をその年の所得から差し引くことができる制度で、控除できる金額の上限は200万円となっています。
出産で高額医療費控除の対象を記載します。
- 妊娠中の定期検診 / 出産費用
- 助産師による分娩の介助料
- 流産した場合の手術費 / 入院費 / 通院費
- 母体保護法に基づく理由で妊娠中絶した場合の手術費用
妊娠出産に備えるなら女性保険がおすすめ
女性保険とは、男性も女性が加入可能な医療保険と違い、通常の医療保険やがん保険の保障内容に加え、特に女性特有の疾患に対して手厚い保障が付いている医療保険のことです。
基本的な保障は一般の医療保険も女性保険も共通で、女性保険の方が女性特有の病気に対して、入院給付金や手術給付金が上乗せされ、より手厚い保障をうけられるというのが大きな違いです。
妊娠出産時のトラブルで切迫早産や帝王切開等の異常分娩で入院手術をした場合は入院給付金や手術給付金を受け取れますし、女性は妊娠出産後に保険への新規加入に条件がついてしまう場合があり、しっかりした手厚い保障をうけられるというのも、大きなメリットです。
就業不能になった際に使える制度を紹介
就業不能状態になった際に使える制度ご紹介します。
傷病手当金
就業不能になった際に使える制度に、傷病手当という制度があります。
傷病手当金とは、お勤め先で健康保険に加入している方が、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度のことで、被保険者が病気やケガのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。
働けなくなって4日目から1年5カ月の間、給料の約2/3に当たる傷病手当金を受け取ることができます、受給条件は、業務外の病気やケガで療養中である事、療養のために働くことができない、4日以上仕事を休んでいることとされています。
傷病手当金の支給条件
- 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
- 仕事に就くことが出来ないこと
- 連続して3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
- 休業した期間について給与の支払いがないこと
傷病手当金が支給される期間は、支給開始日から最長1年6か月で、支給開始後に出勤しても業務をしたとしても傷病手当金の支給期間が延びることはありませんのでご注意ください。
この傷病手当金は、自営業の方が加入されている、国民健康保険では受け取ることができませんのでご注意ください。
障害年金
障害年金とは、国民年金または厚生年金の加入者が所定の障害状態になった場合に支給される年金のことで、病気や怪我で人体に日常生活を送るのが困難な障害が残ってしまった方が給付の対象になります
受け取れる金額は、加入している公的年金の種類、収入や障害等級やお子様の有無により異なりますますが、国民年金に加入されている方は障害基礎年金、厚生年金に加入されている方は障害基礎年金に障害厚生年金がプラスされて支給となります
障害基礎年金の給付条件は、保険料の納付をしていることが条件としてあげられています。
初診日に65歳未満で、初診日の前々月までの1年間に保険料の未納がない。
初診日の前々月までに、公的年金の加入期間の2/3以上で保険料を納付または免除されている。
しかし、初診日が保険料の納付要件がない20歳未満の場合は、支給に所得制限がありますので、年金機構に詳細を確認するようにしてください。
それ以外の条件は、国民年金または厚生年金の加入期間に初診日があることですが、年金への加入義務者ではない場合は、初診日に日本国内居住している必要があります。
高額療養費制度
高額療養費制度とは、公的医療保険の保障の1つです。
月の初めから終わりまでの医療費の自己負担が限度額を超えた場合、その超過分が国民健康保険から支払われれます。
つまり、医療費が高額になっても自己負担は自己負担の限度額までということになります。
自己負担限度額について
高額療養費制度で決められている自己負担限度額は年齢や収入によって変動しますので、必ず事前に確認をしてください。
■69歳以下の方の自己負担上限額区分を以下に記載します。
適用年収区分 | 1ヶ月の上限額 |
約11,600,000円 ~ | 252,600円 + (医療費 – 842,000円) x 1% |
約7,700,000円 ~ 11,600,000円 | 167,400円 + (医療費 – 558,000円) x 1% |
約3,700,000円 ~ 7,700,000円 | 80,100円 + (医療費 – 267,000円) x 1% |
~ 約3,700,000円 | 57,600円 |
住民税非課税の方 | 35,400円 |
■70歳以上の方の自己負担上限額区分を以下に記載します。
70歳以上の場合、区分によっては外来で診察や治療を受けた場合も、制度を利用することができますが、外来の場合は世帯ではなく、個人の利用のみとなりますのでご注意ください。
適用年収区分 | 外来 | 1ヶ月の上限額 |
約11,600,000円 ~ | なし | 252,600円 + (医療費 – 842,000円) x 1% |
約7,700,000円 ~ 11,600,000円 |
なし | 167,400円 + (医療費 – 558,000円) x 1% |
約3,700,000円 ~ 7,700,000円 | なし | 80,100円 + (医療費 – 267,000円) x 1% |
約1,560,000円 ~ 約3,700,000円 | 18,000円 / 年上限144,000円 | 57,600円 |
Ⅱ 住民税非課税世帯 | 8,000円 | 24,600円 |
Ⅰ 住民税非課税世帯 | 8,000円 | 15,000円 |
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